「日本酒度が+5.0の辛口を買ったはずなのに、フルーティーで甘く感じる」という現象はなぜ起きるのでしょうか。その答えは、味わいの立体感を司る「酸度」と「アミノ酸度」の存在にあります。
人間の味覚は、糖分だけでなく酸味の強弱によって甘味の知覚が大きく狂います。日本酒に含まれる酸(コハク酸、乳酸、リンゴ酸など)の総量を表す酸度の全国平均は約1.3〜1.5前後です。
酸度が高いお酒は、舌を刺激して味全体をキリッと引き締めるため、糖分が多くても辛口寄りの印象(キレのある後味)に感じられます。逆に酸度が低いお酒は、酸の刺激が少ないぶん米の糖分がダイレクトに知覚されるため、日本酒度が高くてもまろやかな甘口寄りの印象を受けます。
さらに、味の厚みやコクを生み出す「アミノ酸度(平均1.2〜1.4前後)」も無視できません。アミノ酸度が高いとどっしりとした芳醇な飲みごたえになり、低いと澄んだ雑味のないすっきりとした喉越しになります。
これらを掛け合わせることで、日本酒の4大スタイルである「淡麗辛口」「濃醇辛口」「淡麗甘口」「濃醇甘口」を正確に見分けられます。