華やかなスポットライトを浴びる今の姿からは想像もつかないが、若手時代の稲田が歩んだ道のりは決して平坦ではなかった。下積み期には極度の貧困を経験し、1日数百円の食費で凌ぐような過酷な日々を送っていたという。オーディションに落ち続け、自身の芸風や存在価値に思い悩んだ夜も一度や二度ではない。
だが、彼は決して腐らなかった。吉本興業の劇場で泥臭くネタを磨き続け、客席からの厳しい視線を笑い声へと変えていく粘り強さを育んだ。あのどん底の苦労と挫折があったからこそ、どんなイジりに対しても揺らがない強靭な芸人魂が形成されたのだ。