オリザの米油は危険?噂の真相と溶剤残留やトランス脂肪酸を徹底検証

オリザの米油は危険?噂の真相と溶剤残留やトランス脂肪酸を徹底検証

オリザの米油は危険?噂の真相と溶剤残留やトランス脂肪酸を徹底検証とは一体何なのか? 詳しい意味を丁寧に紐解いて紹介します。

米油に対する根強い不信感を解き明かす上で、避けて通れないのが1968年に発生した「カネミ油症事件」です。この事件の記憶が、未だに「米油=危険」という短絡的なレッテル貼りの温床になっています。

当時、西日本一帯で発生したこの悲劇は、カネミ倉庫が製造した米ぬか油の脱臭工程において、配管から熱媒体であるポリ塩化ビフェニル(PCB)が漏れ出し、さらに高熱によって猛毒のダイオキシン類(PCDF)へと変化して油に混入したことが直接の原因でした。被害者は皮膚の異常や色素沈着、全身の倦怠感など深刻な健康被害に苦しみ、現代に至るまで救済問題が続いています。

しかし、ここで冷静に認識すべき決定的な事実は、この事件が「米ぬか油そのものの成分や毒性によって起きたのではない」ということです。原因はあくまで製造プラントの熱交換器の破損と、毒劇物であるPCBを熱媒体として使用していたという設備管理上の過失にありました。

現在の食用油精製プラントでは、PCBのような有害物質を熱媒体に使用することは法律で厳格に禁じられています。さらにオリザ油化をはじめとする国内メーカーは、オールステンレス製の密閉配管システム、厳重な温度・圧力センサー、HACCP基準に沿った二重三重の安全制御を導入しています。半世紀前の配管腐食事故と現在の精密な食用油製造を同列に論じることは、明らかな論理の飛躍です。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。