画面の向こう側の通知に追われる日常から、意識的に離脱する「デジタル・ディスコネクト」の波が日本中を席巻している。総務省の最新意識調査でも、都市部在住者の7割以上が「休日に完全なデジタルオフ空間を求めている」と回答した。その受け皿として突如スポットライトを浴びたのが、都市部から電車とケーブルカー、そしてわずかな徒歩でアクセスできる標高450メートルの高台だった。
現地を訪れると、平日の夕暮れ時にもかかわらず、ノートPCを閉じたオフィスワーカーや、静かに読書を楽しむ若者の姿が目立つ。芝生に腰を下ろし、刻一刻と表情を変える夕闇を眺める人々の表情には、都会特有の緊迫感がない。「ここに来ると、頭の中の雑音がすっと消えるんです」――都内のIT企業でリモートワークを続ける30代のエンジニアは、風が吹き抜ける展望エリアでそう語った。