検索窓に「東横イン 朝ごはん」と打ち込むと、サジェストに「まずい」という不穏な単語が並びます。SNSやレビューサイトの書き込みを分析すると、この悪評が生まれた背景には3つの構造的な要因が存在することが判明しました。
第1の要因は、過去の「質素すぎる軽食時代」の残像です。2010年代初頭までの東横インでは、ラップに包まれた個包装のおにぎり、たくあん、インスタントに近い味噌汁のみを提供する店舗が主流でした。「無料だから仕方ない」と割り切る客がいる一方で、「味気ない」「冷たくて固い」というネガティブな体験が長期にわたり語り継がれてきた経緯があります。
第2の要因は、「店舗ごとの仕込みとオペレーションの格差」です。東横インの朝食は、本部の一括配送セントラルキッチン方式に完全依存するのではなく、各ホテルの朝食スタッフ(パート・スタッフ主導)が現地で調理・味付けを行う比率が高くなっています。これにより、家庭的で絶品な惣菜を出す「当たり店舗」が存在する反面、火の通しすぎや味付けの偏り、ピーク時の補充遅れで冷めた料理が残る「ハズレ店舗」が生じやすい構造でした。
第3の要因は、競合チェーンとの比較による期待値のギャップです。1食1,500円〜2,500円の別料金を設定し、豪華な海鮮丼やライブキッチンを提供するドーミーインやベッセルホテルズと無意識に比較され、「おかずの品数が少ない」と低評価をつけられてしまうケースが後を絶ちません。