ピンク色のずんぐりした体躯が愛らしいハムですが、アンディのおもちゃ部屋における正式な名前設定にはファンも驚く二面性があります。普段呼ばれている「ハム(Hamm)」という名前自体は豚肉のハムに由来するストレートな愛称ですが、アンディのごっこ遊びの中では「悪のドクター・ポークチョップ(Evil Dr. Porkchop)」という堂々たる悪役の肩書きを与えられています。
特に『トイ・ストーリー3』のオープニングシーンで描かれた空想バトルでは、豚型の巨大飛行船に乗り込み、目から破壊光線を放つ極悪非道なボスキャラとして大暴れしました。この「普段は冷静沈着な貯金箱でありながら、遊びの中では屈指のヴィラン」という二重構造こそが、ハムというキャラクターの奥行きを決定づけています。
もう一つの大きな謎が、「彼のお腹の中にいくら入っているのか」という疑問です。ハムの腹部には取り外し可能な赤いコルク栓がついており、劇中でも実際にアンディの小遣いが投入されています。第1作の序盤でハムがお腹を揺すりながらコインを数えるシーンでは、自ら「6ドルちょっとあるぞ(Six dollars and change)」と発言しています。日本円にして数百円から千円未満という、リアルな子どものお小遣い額が収まっている点に、ピクサーらしい日常の温かみが宿っています。