「千屋牛」がなぜ「幻の和牛」と呼ばれるのか、その理由は年間出荷頭数の少なさ(約600〜800頭前後)と、日本最古級の血統背景にあります。
江戸時代末期、新見市千屋地区の豪農・太田辰五郎氏が主導して牛の改良を進めた「竹の谷蔓(たけのたにつる)」は、現在の松阪牛や神戸牛、近江牛など全国名だたるブランド黒毛和牛の母体となった日本最古の蔓牛(系統牛)のひとつです。この歴史的血統を正統に受け継ぐのが現在の千屋牛です。
肉質の特徴は、きめ細やかな霜降り(サシ)と赤身の深いコクの絶妙なバランスにあります。融点が低いため舌の上でサラリととろけ、しつこさや胃もたれを感じさせない上質な脂の甘みが際立ちます。全国的な流通量が極めて限られており、岡山県外で見かける機会がほとんどないため、現地を訪れて食べる価値が非常に高い和牛といえます。