シドニー国際空港入国審査スマートゲート(SmartGate)の導入により、入国審査自体のスピードは劇的な進化を遂げました。日本のICチップ付きパスポート(16歳以上)を所持していれば、長蛇の有人審査列に並ぶ必要はありません。
到着階のキオスク端末にパスポートを挿入し、画面の日本語案内に従って質問に答えると、顔写真付きの小さな「スマートゲートチケット」が発券されます。そのチケットを持って自動化ゲートへ進み、カメラによる顔認証を行うだけで、1〜2分もあれば入国審査ゾーンをすり抜けることができます。
しかし、本当の関門はその直後に待ち受ける「オーストラリア農業・水資源省による生物検疫」です。
オーストラリア独自の生態系と第一次産業を守るため、国外からの動植物製品の持ち込みには世界一厳しい罰則規定が敷かれています。入国カードの質問事項(食品、肉製品、植物、医薬品の有無)に対し、少しでも曖昧なまま「持っていない(No)」にチェックを入れて虚偽申告とみなされた場合、その場で数千豪ドル(約40万〜60万円以上)の即時過料が科されるか、最悪の場合はビザ失効・即時強制送還という極めて重い処分が下されます。
現場での鉄則はシンプルです。「口に入るもの、土がついたものは、市販のお菓子や常備薬であってもすべて『Yes』にチェックして申告レーンへ進む」。申告さえしていれば、仮に没収対象の物品(肉エキス入りスープの素など)が含まれていても罰金を科されることは絶対にありません。検疫官に現物を見せて指示を仰ぐのが、最も安全かつ結果的に最速で空港を出る防衛策です。