事態が決定的な局面を迎えたのは、2007年12月10日のことだ。連日の偽装発覚を受けて開催された「2007年謝罪記者会見」の壇上には、取締役であった船場宗洸氏と、その母であり女将の船場翠氏が並んで座っていた。
報道陣からの鋭い質問に対し、言葉を詰まらせる息子の横で、母である船場翠氏が「頭が真っ白になったと言いなさい」「声が小さい」「頭を下げて」と小声で助言を続けた。集められたマイクはその一言一句を鮮明に拾い上げ、テレビを通じて全国のお茶の間に生々しく届けられたのである。誠実な謝罪を期待していた視聴者が目にしたのは、まるで人形劇のような歪な光景だった。発言の全貌が明かされるにつれ、世間の怒りは頂点に達した。