そもそも、ストラップの緩みや揺れを抑える発想は、厳しい自然環境に挑むアルピニストたちの知恵から生まれたものだ。過酷なトレッキングにおいて、ギアの揺れは疲労の蓄積に直結し、時には滑落事故の引き金にもなり得る。日本のアウトドア用品産業を牽引してきた代表的企業、株式会社モンベルの創業者である辰野勇氏をはじめとする登山家たちは、常に人間工学に基づいたフィット感と安全性を極限まで追求してきた。
山道具として進化を遂げた登山・アウトドアギアのハーネス技術は、今や都市型のデイパックにも還元されている。ミリ単位のフィッティング調整機能や、激しい動きでも緩まないバックル構造は、厳しいフィールドテストを経て洗練された本物の技術なのだ。