静寂が破れたのは7回裏。0-0のまま迎えた終盤の攻防だった。ランナーを一塁に置いた場面で、ベンチから出されたサインは強打ではなくエンドラン。一瞬の判断ミスも許されないプレッシャーの中、バッターは低めのボールを巧みにライト前へ運んだ。
走者は一気に三塁を陥れ、一死一、三塁。ここでスクイズという古典的かつ最も成功率が問われる作戦が敢行される。極限の緊張感の中で転がされた打球は、絶妙な勢いでピッチャーマウンドの横を転がった。一瞬の判断と日頃の反復練習の成果が、この喉から手が出るほど欲しかった先制点をもたらした。