なぜ特別な事故も工事もない場所で、突然車が動かなくなるのか。その最大の原因は、道路の傾斜が下り坂から上り坂に切り替わる「サグ部」にある。ドライバー自身は同じ速度を保っているつもりでも、登り坂に入った瞬間に無意識のうちに車速が低下してしまうのだ。
後続車は前走車との車間距離が詰まったことでブレーキを踏む。そのブレーキランプを見たさらに後ろの車が、より強いブレーキをかける。この連鎖が後ろへ行くほど増幅され、最終的に車両が完全に停止する大渋滞へと発展する。トンネル入口付近でも同様に、暗さによる恐怖心や視界の変化から無意識に足がブレーキへ伸びがちだ。こうした「構造的減速」をいかに防ぐかが、長年の課題となっている。