一晩中眠れなかった身体の内部では、一体何が起きているのか。最も深刻なのは、脳の老廃物排出システム(グリンパティック系)が正常に作動しなかったことだ。通常、深い睡眠中に脳脊髄液が脳内を洗浄し、アミロイドβなどのタンパク質を洗い流すが、不眠の夜はそのメンテナンスが丸ごとスキップされる。
さらに、ストレスホルモンであるコルチゾールが異常分泌され、血管は収縮し、脈拍は高止まりする。朝起きた時に感じる「身体の重さ」や「吐き気」は、自律神経が悲鳴を上げている証拠だ。脳の前頭葉の機能が著しく低下するため、感情コントロールが効かなくなり、些細なことでイライラしやすくなるのも生理学的な必然といえる。