横浜の気象を語る上で避けて通れないのが、「マイクロクライメイト(局地気候)」と呼ばれる現象だ。特に港湾部から内陸部にかけての数キロメートル圏内で、気温や風向き、湿度が全く異なる表情を見せることが珍しくない。
大さん橋の先端で感じる力強い潮風と、内陸部に位置する保土ケ谷区や旭区の静かな空気感には明らかな隔たりがある。東京湾から吹き込む湿った南寄りの風が高層ビル群に衝突することで上昇気流が発生し、局所的な雨雲を急速に発達させるメカニズムが形成されているからだ。この都市特有の気流現象が、港町の空に予期せぬ変化をもたらす最大の要因となっている。