TBSの伝説的番組『8時だョ!全員集合』で全国区のスターへと駆け上がった志村さんは、フジテレビジョンを舞台にした冠コント番組『志村けんのだいじょうぶだぁ』や『志村けんのバカ殿様』で独自の笑いを極限まで磨き上げた。その過酷なアイデア出しの現場となったのが、三鷹の自宅書斎だった。
海外のサイレント映画やアメリカのコメディショーを熱心に研究し、深夜に一人、ノートへペンを走らせる。お茶の間で見せる破天荒な姿とは対照的に、自宅での志村さんはストイックな職人そのものだった。幾千もの笑いを生み出したあの空間は、妥協を許さないプロフェッショナリズムが凝縮された実験室だったといえる。