動画SNSなどで「指で一度塗りしただけでこの発色!」という紹介を見かけますが、これには美容ジャーナリズムの観点から注意を促す必要があります。「一度塗りの発色が強すぎるアイシャドウは、メイク初心者ほど失敗のリスクが高い」というコスメの物理法則が存在するためです。
顔料の配合率が高すぎるパレットは、まぶたに置いた瞬間にムラ付きしやすく、境目をぼかす(ブレンディングする)ためにブラシで何度も皮膚を擦る必要があります。結果としてまぶたに摩擦ダメージを与え、色素沈着やまぶたのたるみを促進させる引き金になりかねません。
日本市場において長年ロングセラーを記録しているエクセルやセザンヌの設計を見ると、あえて顔料濃度を70%前後に抑え、ブラシやチップで重ねるごとに濃淡が調整できる「シアー・ビルダブル処方」が採用されています。手早く自然なグラデーションを作れることこそが真の機能美であり、「高発色=高品質」という単純な図式はネット上の典型的な誤解の一つです。