昭和から平成にかけて、りくろーおじさんのチーズケーキは「1ホール500円(ワンコイン)」という破格のコストパフォーマンスで大阪の食文化に衝撃を与えました。しかし、近年の世界的な乳製品相場の高騰、輸入小麦や鶏卵価格の上昇、エネルギーコストの増大を受け、段階的な価格改定が実施されてきました。
歴史的な価格推移を振り返ると、500円から始まった価格は、消費増税や原材料高騰に伴い588円、680円、725円、865円、965円と改定を重ね、現在では1ホール1,000円前後(税込)の価格帯へとシフトしています。かつてのワンコイン時代を知るオールドファンからは値上げを惜しむ声が聞かれるのも事実です。
しかし、飲食業界の専門的見地から分析すると、直径18cm(6号サイズ)のホールケーキが1,000円前後で提供されている事実は、依然として驚異的なコストパフォーマンスと言わざるを得ません。一般的なパティスリーにおいて6号サイズの生ケーキやスフレチーズケーキを購入する場合、3,000円から4,500円を下らないケースが主流です。デンマーク産純正クリームチーズと新鮮な卵をふんだんに使い、店舗ごとの厨房設備で職人が焼き上げる品質を維持しながら、1ホールあたり千円前後に抑え込んでいる企業努力は、他社の追随を許さない競争力の源泉となっています。