ガリの変更プロセスと並行して進んだのが、店舗における提供オペレーションの刷新です。この背景には、外食業界全体を揺るがした「迷惑行為動画(客テロ問題)」への徹底的な対策が存在します。
かつての回転寿司店では、卓上に置かれた共用ポットから客がトングで自由にガリを取り分けるスタイルが当たり前でした。しかし、共用容器に対する不衛生な行為がSNS上で拡散され、社会問題化したことを契機に、大手チェーンは安全管理の抜本的な見直しを迫られました。
くら寿司では、名物である抗菌寿司カバー「鮮度くん」にAIカメラを連動させた監視システムをいち早く導入したほか、卓上調味料やガリの配置についても店舗ごとにタッチパネル注文制へと移行させるなどの防衛策を講じました。大根ガリへの変更は、単に中身の野菜を変えただけでなく、「誰が、いつ、どれだけ消費したかをデジタル管理できる体制」への移行と密接に結びついていたのです。
無料のサービス品を共用のまま無防備に卓上へ放置する時代から、安全とトレーサビリティを担保した管理提供へ。ガリの仕様変更は、外食産業が直面した安全保障上のアップデートでもありました。