丁寧に対策しているつもりでも、なぜ時間が経つと根元が倒れてしまうのでしょうか。現場のトップスタイリストたちの分析によると、スタイリングが崩れる背景には明確な3つの原因が存在します。
第1の要因は、「毛髪の水素結合」が十分に固定されていないことです。髪の毛は熱が加わったときに形が変わり、熱が冷める瞬間にその形状が固定される物理的性質を持っています。多くの人がドライヤーやアイロンで熱を与えた直後に髪を動かしてしまい、立ち上がりのベースが固定される前に重力で落ちてしまっています。
第2の要因は、スタイリング剤の油分と額の皮脂による自重です。根元をキープしようとワックスやオイルを表面に多く付けすぎると、油分の重さに耐えきれなくなります。さらに日中、額から分泌される皮脂(1日平均で約1〜2g程度)が髪の根元に移行することで、毛束が束になって潰れていく現象が起こります。
第3の要因は、生え癖(毛流れ)に逆らいすぎた無理な立ち上げです。人の前髪の生え際には特有の向きがあり、完全に無視して立ち上げようとすると、時間の経過とともに本来の生え癖へと押し戻されてしまいます。崩れない土台を作るには、生え癖を一度リセットするブロー手順が不可欠です。