日本における『水滸伝』ドラマを語る上で欠かせないのが、1973年に日本テレビ系列で放映された連続ドラマ『水滸伝』です。
当時のテレビ界において破格の巨費が投じられ、京都映画撮影所や大規模なオープンセット、中国ロケを模した広大な自然風景の中で撮影されました。本作の主役は宋江ではなく、中村敦夫が演じる林冲。黒装束に身を包み、厳しい眼差しで権力悪を討つ姿は、同時期に大ヒットしていた『木枯し紋次郎』のイメージとも重なり合い、日本中を熱狂させました。
土田早苗が演じる男勝りの女剣士・扈三娘(こさんじょう)や、丹波哲郎、佐藤慶、ハナ肇といった昭和の名優陣が脇を固め、芥川隆行の重厚なナレーションがドラマを引き締めました。原典を大胆に翻案したハードボイルドな構成は、現在でも昭和特撮・時代劇ファンの間で伝説の傑作として語り継がれています。