読者の心に最も深く根を張り、時にはトラウマとして語り継がれる存在、それがねずみばあさんだ。鋭い爪、不気味に蠢く下半身、そして暗闇から襲いかかる圧迫感。彼女は単なる悪者ではなく、大人の支配や理不尽な抑圧、そして子供自身が抱く孤独への恐怖が具現化した象徴的モチーフとして機能している。
興味深いのは、あきらとさとしが最後まで彼女と直接戦って打ち倒すわけではない点だ。二人は互いの手を固く握り締め、恐怖の象徴である怪物の威圧を耐え抜き、ついに受け入れ、乗り越えていく。この「逃げずに手をつなぎ続ける」姿勢こそが、ねずみばあさんという存在が秘めた真の謎を解き明かす鍵となる。