個人間取引で「無料でもらえた」と喜んだのも束の間、実際の受け渡し時に最も大きなハードルとなるのが運搬の手配です。ピアノは精密機械でありながら重量が200kg〜250kg以上あるため、一般的な宅配便や引越し用の軽トラックで運ぶことは不可能です。必ずピアノ運送の専門業者に依頼しなければならず、ここに見落としがちなコストの落とし穴が存在します。
一般的なピアノ運送費用相場は、同一市内の平地移動(戸建て1階から戸建て1階)であっても15,000円〜30,000円程度が基本料金となります。さらに搬出・搬入先が2階以上で階段を使う場合は1階ごとに約5,000円〜8,000円、クレーンによる窓からの吊り作業が必要な場合は1回あたり15,000円〜30,000円の追加料金が発生します。隣県への移動となれば、運送費だけで5万円〜10万円近く跳ね上がるケースも珍しくありません。
加えて、運搬時の振動で音程が狂うため、設置後には専門の調律師による作業が必須です。定期的に調律されていなかったピアノの場合、狂いを戻すための基本料金に加え、ピッチ修正の追加作業で15,000円〜25,000円前後の出費が重なります。「本体はタダだったが、家計からの持ち出しは合計6万円を超えた」という事態は日常茶飯事です。