1943年2月23日生まれの麿赤兒は、2026年で83歳の節目を迎えました。一般的な高齢者の枠組みを軽々と飛び越え、主宰する舞踏集団「大駱駝艦・天賦典式」のカンパニー公演では自ら構成・演出を手がけ、過酷なステージに立ち続けています。劇団の拠点である吉祥寺のスタジオ「壺中天(こちゅうてん)」では、若手舞踏手たちの指導やワークショップを精力的に行い、身体表現の真理を探究する日々です。
近年のインタビューで麿赤兒は、自身の身体と老いについて次のように語っています。
「年を取れば肉体は衰える。だが、老いた肉体にしか出せない歪みや重力、佇まいの凄みがある。舞踏とは健康自慢の体操ではなく、命が擦り切れる瞬間の輝きを晒すことだ」
この言葉通り、映像の世界でも配信ドラマや国内外の映画作品において、重厚なフィクサー役や怪異な老人役など、彼にしか演じられない役柄でオファーが絶えません。現場スタッフからは「カメラが回った瞬間にスタジオ全体の気圧が変わる」と畏敬の念を込めて語られています。