世界的な水産資源の争奪戦や物流費、人件費の上昇に伴い、日本の外食市場全体が値上げを余儀なくされてきました。すしてつも例外ではなく、かつて代名詞であった「1貫100円均一(税抜)」という極端なプライシングからは段階的な価格改定を実施しています。しかし、周辺相場と比較したときの競争力は些かも失われていません。
現在のメニュー体系では、定番の赤身、白身、サーモン、貝類から、一手間加えた炙り物や軍艦までが明朗な価格帯で細かく設定されています。高級食材とされるウニやイクラ、中トロなども、一般的なカウンター割烹の半値以下で注文可能です。アルコール類や酒の肴となる一品料理も居酒屋価格に抑えられており、「職人が握る寿司をつまみながら気兼ねなく飲める」というトータルの客単価設計が極めて緻密に計算されています。
この驚異的なコストパフォーマンスを支えているのは、徹底した「高回転率」と「一括仕入れによるボリュームディスカウント」です。席を無駄に空けない効率的な客席オペレーションと、寿司に特化した無駄のない仕込み体制を敷くことで、一般的な高級店の数倍に達する回転数を叩き出し、薄利多売をハイレベルに成立させています。