日本大学理工学部を受験するにあたって、最初に直面する疑問が「駿河台キャンパス(東京都千代田区)と船橋キャンパス(千葉県船橋市)の役割分担」です。都心の高層校舎が立ち並ぶ御茶ノ水エリアと、緑豊かな広大な土地が広がる下総台地。この対極的な2つの拠点は、単なる学年分けではなく、学部全体の戦略的な教育方針によって明確に棲み分けられています。
多くの受験生が驚くのが、学科によって「学年進行で移動するパターン」と「4年間ずっと船橋キャンパスで過ごすパターン」が混在している点です。かつては1年次を全員船橋で過ごし、2年次から駿河台へ移るという運用が主流の時代もありましたが、現在は学科の特性に応じた配置へと再編されています。
具体的には、土木工学科、建築学科、電気工学科、応用情報工学科、物質応用化学科、マネジメント工学科などは、1年次を船橋キャンパスで基礎教育を受け、2年次以降に駿河台キャンパスへ移動する体制が基本です。一方で、航空宇宙工学科、海洋建築工学科、精密機械工学科といった実験・実習に大規模な空間を要する学科は、1年次から卒業までの4年間を船橋キャンパスで完結させます。
この日本大学理工学部のキャンパス移動の理由について、学部関係者やカリキュラム設計の現場からは明確な意図が語られています。都心の駿河台キャンパスは敷地に限りがあり、高層タワー校舎(タワー・スコラなど)を中心とした理論教育や都市型研究には適しているものの、巨大な工作機械、航空機の風洞実験装置、大型水槽などを設置することは物理的に不可能です。そのため、実物大の構造物を破壊したり、音速を超える気流を発生させたりする実践的実験を要する工学領域は、船橋キャンパスへ拠点を集約する必要があったのです。