マグロは止まると何秒で死ぬ?即死説の真相と泳ぎ続ける生態の驚異

マグロは止まると何秒で死ぬ?即死説の真相と泳ぎ続ける生態の驚異

マグロは止まると何秒で死ぬ?即死説の真相と泳ぎ続ける生態の驚異の重要なポイントについて、分かりやすい解説を基に徹底解説します。

「止まると死ぬのであれば、マグロはいったいどこで睡眠をとっているのか」という疑問は、古くから多くの人々を惹きつけてきました。水族館の現場飼育員や海洋生物学者の観察によって、驚くべき睡眠形態が確認されています。

マグロは一生涯、完全に活動を静止して熟睡することは一度もありません。睡眠をとる際は、通常時速数十キロに達する遊泳スピードを時速10〜15キロ前後の「失速しない最低速度」まで落とし、夜間の群れの中で緩やかに旋回しながら泳ぎ続けます。

このときのマグロの脳内状態は、渡り鳥やイルカなどに見られる「半球睡眠(脳の片側ずつを交互に休ませる状態)」に近い生理現象が起きていると考えられています。視覚や反射運動の警戒レベルを最小限に保ちつつ、ラム換水に必要な最低限の水流を確保し続けているのです。

水族館の大型ドーナツ型水槽(葛西臨海水族園など)では、この特異な生態ゆえの過酷なアクシデントが報告されてきました。マグロは驚異的なスピードで巡航するため、フラッシュ撮影の光や夜間の震動、パニックによってアクリルガラス面に激突する事故が起きます。

激突によって脳震盪を起こし、水底に沈んで数分間動けなくなった個体は、飼育員が即座に潜水して手で抱え、前進させてエラに海水を強制的に通す「人工換水救護」を行わない限り、高確率で低酸素脳症を起こして落命します。現場の飼育記録からも、数分間の静止が致命傷になる生々しい現実が証明されています。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。