広範囲に卵が産み付けられ、手作業での除去が追いつかない場合には、冬期防除の定番であるマシン油乳剤の活用が極めて有効な選択肢となる。この薬剤のメカニズムは化学毒性による神経遮断ではなく、油の被膜で卵の気門を物理的に覆い窒息死させる点にある。そのため、害虫側に薬剤抵抗性が生じる余地が原理的に存在しない。
住友化学園芸株式会社などが提供する園芸用マシン油乳剤は、散布時期の選定が成否を分ける。厳冬期から新芽が膨らむ直前の1月下旬から2月中旬にかけて散布するのがベストだ。かつて多用されたネオニコチノイド系殺虫剤に対する抵抗性獲得や生態系への影響が議論される中、物理作用で越冬卵を確実に窒息させるオイル防除は、環境負荷を低減させたい現代の防除体系において再評価されている。