0.44平方キロメートルという極めて限定された敷地ですが、その土地利用の内訳は極めて特徴的です。バチカン市国の国土の約3分の1以上を占めているのが、カトリックの総本山たる「サン・ピエトロ大聖堂」とその前面に広がる「サン・ピエトロ広場」です。
サン・ピエトロ大聖堂は、全長約220メートル、最大幅約150メートル、ドーム(クーポラ)頂点の高さが約136メートルに達し、単一の教会建築としては世界屈指の規模を誇ります。礼拝堂内部の床面積だけでも約2万3000平方メートルあり、一度に約6万人もの信徒を収容可能です。さらにジャン・ロレンツォ・ベルニーニが設計したサン・ピエトロ広場は、約30万人を収容できる楕円形の広大な空間を形成しています。
残りの領土の大半は、歴代教皇が収集した膨大な美術品を収蔵するバチカン美術館・教皇宮殿、そして国家の西半分を覆い尽くす鬱蒼とした「バチカン庭園」で構成されています。実質的に一般市民が生活する商業街区路路のようなものは存在せず、国家全体が一つの巨大な聖堂・宮殿複合施設として機能しています。