鹿島港南防波堤が「死の防波堤」と称される最大の要因は、外洋特有の予測不能な気象・海象条件にあります。鹿島灘に面したこの突堤は、遮るもののない外洋の荒波を直接受け止める防護施設として設計されています。そのため、港内がどれほど穏やかに見えていても、堤防先端付近では数十メートルに及ぶ白波が突如として足元を掬い上げます。
特筆すべきは、現地で頻発する「一発波(三角波・異常波)」の存在です。通常の周期とは異なる巨大なうねりが数十分に一度の頻度で防波堤を完全に乗り越え、幅わずか数メートルのコンクリート天端にいる人間を一瞬で海中へ叩き落とします。茨城県鹿島港湾事務所の記録や報道各社の取材データによれば、これまでに鹿島港南防波堤 死亡事故および行方不明事案は累計で70名以上に達しており、単一の防波堤としては全国的にも類を見ない被害規模を記録してきました。
一度海に投げ出されると、自力での生還は絶望的です。堤防沿いには巨大な消波ブロック(テトラポッド)が幾重にも沈設されており、激しい潮流によって人間はブロックの隙間に吸い込まれます。強い引き波と複雑な渦に巻き込まれれば、ライフジャケットを着用していても水面へ浮上することは叶いません。さらに、荒天下では巡視艇や救助ヘリコプターであっても堤防際への接近が阻まれるため、鹿島港南防波堤 高波 落水事故の発生は文字通り即座に「死」へと直結する過酷な現実があります。