かつての調査では、本籍地が遠方にあれば各自治体へ定額小為替を同封して郵送請求を繰り返す必要があり、1系統を遡るだけでも数ヶ月を要しました。現在はこの手続きが劇的に効率化されています。2024年3月1日に施行された改正戸籍法に基づく「戸籍謄本等の広域交付」により、本人の現住地にある市区町村役場の窓口1カ所だけで、直系尊属(父母・祖父母・曾祖父母など)の戸籍を網羅的に一括請求できる仕組みが整いました。
戸籍謄本の取得方法と「出生から死亡まで」の遡り方
家系図の作り方において最も重要な基本動作は、現在の自分自身の戸籍からスタートし、「筆頭者」とその「父母」の欄を頼りに、1代ずつ時間を過去へ巻き戻していくことです。窓口で申請書を提出する際、申請理由に「家系図作成のため、直系尊属の出生から死亡に至るすべての戸籍・除籍・改製原戸籍を遡って取得したい」と明記します。
- 本人確認書類:マイナンバーカードや運転免許証など、顔写真付きの公的身分証明書が必須です。
- 請求できる範囲:本人、配偶者、直系尊属(父母・祖父母・曾祖父母)、直系卑属(子・孫)。傍系である「兄弟姉妹」「叔父・叔母」の戸籍は広域交付の対象外となるため注意が必要です。
- 取得すべき書類の種類:「現在戸籍」「除籍謄本」「改製原戸籍(かいせいはんこせき・かいせいがんこせき)」の3種。特に昭和32年や平成6年の法改正に伴う様式変更前の記録である除籍謄本改製原戸籍には、旧民法下の家制度における広範な家族関係が手書きで克明に残されています。
交付手数料は全国一律であり、現在戸籍謄本が1通450円、除籍謄本および改製原戸籍が1通750円です。父方・母方の2系統を幕末まで遡る場合、取得する通数は合計で15通〜25通前後に及び、役所へ支払う法定手数料の合計は概ね1万5,000円〜2万5,000円前後が標準的な目安となります。