「なぜ、これほどまでに開業が遅れたのか」——この疑問を解き明かすには、1990年代半ばまで遡る必要があります。当時、このプロジェクトは「イオンモール北福島」の仮称で計画がスタートしました。しかし、隣接する福島市中心市街地の商店街空洞化を懸念した福島商工会議所や行政側の猛烈な反対運動、さらには郊外型大型商業施設の出店を厳しく規制する「まちづくり三法」の改正が直撃し、計画は事実上の無期限凍結に追い込まれた苦い過去があります。
塩漬け状態となっていた計画が劇的な転換を迎えたのは2020年12月でした。伊達市が主導する堂ノ内地区土地区画整理事業と連携する形で、イオンリテール株式会社およびイオンモール株式会社が基本合意書を締結。四半世紀の沈黙を破り、巨大商業施設計画が正式に息を吹き返したのです。
しかし、再始動後も順風満帆とはいきませんでした。当初想定されていた「2024年冬」の開業スケジュールは、突如として延期を余儀なくされます。最大の延期理由となったのは、世界的なインフレに伴う建設資材費の記録的高騰と、深刻化する建設業界の人手不足(2024年問題)です。加えて、土地区画整理事業に伴う農地転用手続きや地盤改良、周辺インフラ設計の練り直しが発生。事業採算性と安全性を極限まで高めるため、開業時期を2025年後半から2026年へと再設定せざるを得なかったという構造的背景が存在します。