ネットの検索窓に「拓殖大学」と打ち込むと、サジェストに「Fラン」「やばい」といったネガティブな語句が浮上します。しかし、受験界における本来の定義と照らし合わせると、この表現には明確な誤解が存在します。
文部科学省や大手予備校が定義する「Fランク大学(BF=ボーダーフリー)」とは、志願者全員が合格し偏差値の算出が不可能な大学を指します。表データに示した通り、拓殖大学の全学科において偏差値(37.5〜45.0)が算出されており、一般選抜の実質倍率も1倍台半ばから2倍台後半を記録しています。基礎的な学力対策を怠れば普通に不合格となるため、客観的指標としてFランには該当しません。
では、なぜネット上でそうしたレッテルが貼られてしまうのか。そこには、首都圏私大を巡る序列意識と学歴インフレの心理が働いています。
首都圏では一般的に「日東専駒(日本・東洋・駒澤・専修)」が中堅上位グループとして認知され、その下位に「大東亜帝国(大東文化・東海・亜細亜・帝京・国士舘)」が位置づけられています。拓殖大学は歴史的にも「大東亜拓桜帝国(拓殖・桜美林を加えた呼称)」と並び称されることが多く、実質的な学力難易度は大東亜帝国と同等、あるいは学部によってその中間層に属します。
SNSや匿名掲示板では、MARCHや日東専駒を基準とした過剰な学歴煽りが行われやすく、中堅ゾーンの大学群が一括りに「低偏差値」と矮小化されがちです。噂の真偽を検証すれば、「入試難易度は日東専駒の一歩手前にある準中堅レベルであり、学力試験なしで誰でも入れる大学ではない」というのが取材に基づいた正確な事実です。