手作業で1つずつ「Alt + Enter」を押すのではなく、氏名と住所、あるいは複数の項目を結合して自動的に改行を含めたいケースでは、数式と関数の活用が極めて有効です。
エクセルにおいて改行コード(ラインフィード:LF)を関数内で表現するには、文字コードを出力する「CHAR関数」を使用します。Windows版エクセルの改行コードは「CHAR(10)」で定義されているため、文字列結合演算子「&」と組み合わせることで動的な改行が実現します。
例えば、A2セルに「株式会社サンプル」、B2セルに「営業部」と入力されている場合、以下のように数式を入力します。
=A2 & CHAR(10) & B2
この数式を適用したセルは、1行目に「株式会社サンプル」、2行目に「営業部」と表示されます。ただし、関数で改行コードを挿入しただけでは、見た目上1行で表示されてしまうケースがあります。その際は、ホームタブの配置グループにある「折り返して全体を表示する」ボタンをクリックして有効化する必要があります。
さらに、複数のセルの値を一括で改行区切りにして結合したい場合は、TEXTJOIN関数が圧倒的な効率を発揮します。
=TEXTJOIN(CHAR(10), TRUE, A2:A10)
この数式を用いれば、A2からA10までの範囲に含まれる文字列を、空白セルを自動で無視しながら改行区切りで1つのセルに美しくまとめることが可能です。