レースクイーンを取り巻く環境が劇的に変化した最大の転換点は、2018年1月にモータースポーツの最高峰である「F1(フォーミュラ1)」を統括するリバティメディアが発表したグリッドガールの全面廃止です。「女性を容姿だけで性的な装飾品として扱う慣習は、現代の社会規範やF1ブランドが目指すダイバーシティの価値観にそぐわない」という声明は、世界中の自動車レース界に激震を走らせました。
欧州を中心とするジェンダー平等意識の高まりを受け、海外主要レースでは女性モデルの起用を見直す動きが一気に加速しました。これに対し、日本国内では長年にわたり「チームを支えるプロフェッショナルな広報スタッフ」「女性自身のキャリア形成の場」として独自に発展してきた背景があり、即座の全廃ではなく、役割と名称の再定義という道を模索することになりました。
その象徴的な動きが、国内最高峰の人気を誇る「SUPER GT」を運営するGTアソシエイション(GTA)による決断です。GTAは2024年シーズンより、従来の「レースクイーン」という呼称を正式に廃止し、「レースアンバサダー(Race Ambassador)」へと変更しました。これは単なる言葉の言い換えにとどまらず、露出度の高い衣装の規制や、チームの公式アンバサダーとしてスポンサー理解度・発信スキルを正当に評価する体制への構造改革を意味しています。