一見するとふざけているようにも思えるこれらの問題ですが、作問の舞台裏には極めて高度な教育的・統計的意図が隠されています。
大学入試センター試験および共通テストは、全国数十万人の学力を単一の試験で公正に測定しなければなりません。特定の教科書会社や予備校の予想問題が的中して不公平が生じるのを防ぐため、作問部会は「誰も見たことがない初見のシチュエーション」を意図的に作り出す必要があります。その結果として選ばれるのが、珍しい抽象小説であったり、独自のイラストキャラクターであったりするわけです。
また、視覚情報や未知のシチュエーションから瞬時に要点を把握する能力は、現代の情報化社会で最も求められるリテラシーの一つです。奇問・珍問と騒がれる問題の多くは、作問者たちが「暗記に頼らない真の応用力」を試すために練り上げた、知的な挑戦状であったといえます。