誕生月と病気リスクの因果関係を解き明かすうえで、専門家が指摘する決定的な要因は主に3点あります。第一に妊娠後期および新生児期の日照時間とビタミンD生成です。
ビタミンDは骨の形成だけでなく、免疫システムの成熟や心筋細胞の分化、神経発達に不可欠なホルモン様物質です。冬季に妊娠後期を過ごした母体は日照不足からビタミンD欠乏に陥りやすく、これが胎児の循環器系や自己免疫系の発達に永続的な影響を与える可能性が論じられています。
第二の要因は季節性感染症への初期曝露です。秋から冬に生まれた乳児は、免疫グロブリンが未熟な生後数カ月の段階でインフルエンザやRSウイルス、ダニの死骸(秋に増加)などのアレルゲンに直面します。この時期に気道へ強い炎症を受けると、生涯にわたって喘息やアレルギー性鼻炎を発症しやすくなるメカニズムが呼吸器内科領域で解明されています。
第三に、母親の栄養状態と季節性の食生活も無視できません。かつてほど極端な差はないものの、季節による生鮮食品の摂取傾向や気温差によるホルモンバランスの揺らぎが、胎盤を通じたエピジェネティクス(遺伝子の後天的な発現制御)に影響を及ぼしていると最新の分子生物学は分析しています。