年の書き順は縦が先?横が先?9割が迷う4画目の真相と美文字の極意

年の書き順は縦が先?横が先?9割が迷う4画目の真相と美文字の極意

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そもそも、なぜ「年」は短い縦棒を先に割り込ませる構造になっているのでしょうか。これには古代の漢字の成り立ち(字源)と、筆を使った書道の「筆脈(ひつみゃく)」が深く関係しています。

「年」という文字は、甲骨文字や金文の時代、穀物である「禾(いね)」と人を表す「人(または千)」を組み合わせた会意文字でした。作物を背負って収穫を感謝する人の姿から、「実り・1年間の周期」を意味するようになったとされています。やがて隷書から楷書へと文字が洗練されていく過程で、上部の稲穂の広がりと支える人の背骨が整理され、現在の字形に収束しました。

筆順の基本原則には「上から下へ」「左から右へ」「横が先で縦が後」という大原則がありますが、同時に「文字の骨格を保つための連結部を先に固める」というルールも働きます。行書(くずし字)の流れるような筆運びを観察すると、2番目の横棒の終筆から自然とペン先が左下へ戻り、4画目の縦棒を引いてから、そのバウンドを利用して5画目の長い横棒を左から右へと一気に押し出していることが分かります。

1958年(昭和33年)に当時の文部省が編纂した「筆順指導の手びき」でも、この伝統的な筆勢の合理性が評価され、現行の筆順が唯一の学習標準として定められました。漢字検定においても、配当漢字である9級(小学2年生レベル)から準1級・1級に至るまで、この規則は一切揺らぐことなく採点基準として適用されています。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。