本作最大のミステリーであった「景山澪奈(上白石萌歌)の死因」と「彼女を死に追い詰めた黒幕の正体」。物語の中盤までは、フェイク動画を作成して澪奈を陥れた悪質組織「ベルムズ」や、動画の発注者として浮上した人気体育教師・武智大和(田辺誠一)が糾弾の対象となりました。しかし、これらはすべて柊一颯(菅田将暉)が仕掛けた周到な劇場型プロパガンダの布石に過ぎませんでした。
景山澪奈の命を奪った直接の死因は、校舎屋上からの投身自殺です。全国高校総体を制覇した栄光の裏で、SNS「Mind Voice(マインドボイス)」上に投稿された「ドーピング疑惑」のフェイク動画が拡散。信じがたい誹謗中傷、心ない嘲笑、クラスメイトたちからの冷酷な無視と孤立に耐えかねた澪奈は、極限まで精神を摩耗させ、幻覚に怯えながら死を選びました。
そして最終回、世間が息を呑んだ「黒幕の正体」とは、武智教師でもクラスの主犯格でもなく、「画面の向こうで無責任に誹謗中傷を書き込み、面白半分で他者を攻撃し続けた匿名のネットユーザーたち(大衆全員)」でした。
フェイク動画の真実が暴かれた瞬間、ネットの群衆は掌を返して武智を血祭りにあげ、自宅への押しかけや家族の晒し行為という二次的な私刑(リンチ)へと雪崩れ込みました。柊は自らを「凶悪な立てこもり犯」として晒し上げ、マインドボイスのライブ配信を通じて、自覚なき加害者であり続ける世間そのものを法廷の場へと引きずり出したのです。
さらに最終話では、澪奈の親友であった学級委員・茅野さくら(永野芽郁)が抱えていた痛切な秘密が明かされます。屋上で命を絶とうとする澪奈の手を、さくらは確かに握りしめていました。しかし、自分も周囲から標的にされるかもしれないという一瞬の恐怖から手を緩めてしまい、澪奈を落下させてしまったという消えない自責の念です。柊はその手を今度はしっかりと握り直し、さくらの魂を救済するとともに、「お前は悪くない、生き抜くんだ」と生きる希望を遺しました。