本作の事件は、京都府・舞鶴湾で行われたイージス艦「ほたか」の体験航海という華やかな舞台の裏で、極秘裏に進行していた国家機密漏洩事件に端を発します。物語序盤で発見された「自衛官の左腕」というショッキングな遺留品から、事件は単なる艦内トラブルではなく、某国工作員による国防ネットワークへの不正侵入事件へと発展しました。
劇中で暗躍する某国のスパイXの正体は、艦内で単独行動をとっていた少年・雨宮勇気の「父親」を装って同伴乗艦していた偽の保護者(津久茂)でした。本物の父親はすでに拉致・監禁されており、勇気は脅迫されて口を閉ざしていました。スパイXの任務は、事前に自衛隊員から買い取ったイージス艦の最高機密データを回収し、艦外の協力者である竹川(某国工作員)と連携して国外へ持ち出すことでした。
一方、事件の発端となった笹浦一等海尉 左腕 事件の真犯人は、スパイXではありませんでした。捜査の結果判明した犯人は、若狭海上保安部の警備課長・倉田正明です。倉田の動機は、国家への反逆ではなく事故の隠蔽でした。夜明け前の崖上で笹浦の不審な情報漏洩行動を目撃した倉田は、職務質問の最中に揉み合いとなり、過失によって笹浦を海へ転落死させてしまったのです。その後、遺体はイージス艦のスクリューに巻き込まれ、切断された左腕だけが取水口に引っかかるという凄惨な事故へ繋がりました。