サウナ浴において最も心血管系に負荷がかかる瞬間は、高温の室内から極冷の水風呂へと移動するフェーズです。80〜100℃のサウナ室内では、全身の血管が拡張して血圧は低下傾向を示し、脈拍は上昇します。その状態から15℃前後の冷水に一気に飛び込むと、生体は体温の放散を防ぐために末梢血管を一瞬で激しく収縮させます。
このときに生じる急激な温度差リスクによって、収縮期血圧はわずか数秒の間に30〜50mmHg以上も急上昇します。これが水風呂での急死原因や水風呂での心臓麻痺の理由となる血行動態の急変です。耐えきれなくなった血管が破綻すれば脳出血やくも膜下出血を引き起こし、急激な負荷に耐えかねた冠動脈が痙攣・閉塞を起こせば急性心筋梗塞へと発展します。