「加熱直後は膨らんでいたのに、粗熱が取れた途端に硬い餅のようになってしまった」という現象。この米粉蒸しパンがレンジで固くなる理由には、大きく分けて3つの要因が絡み合っています。
1つ目は、電子レンジの加熱時間の超過です。電子レンジは食品に含まれる水分分子を振動させて摩擦熱を生み出します。米粉は小麦粉に比べてグルテンを形成しないため、骨組みが非常にデリケート。規定時間を少しでも超えて加熱を続けると、生地内部の水分が一気に大気中へ放出され、残された米粉のデンプン質が乾燥して強固に固まってしまいます。
2つ目は、いわゆる米粉蒸しパンのういろう化と呼ばれるトラブルです。生地の下部が半透明のゼリー状に沈んで固まってしまう現象ですが、この原因は「生地の混ぜ不足」あるいは「生地を寝かせすぎたこと」にあります。米粉は水分に溶けず沈殿しやすい性質を持っています。型に流し込んでから加熱までに時間が空くと、粉が底に沈降し、比重の重いデンプン層だけが糊化(α化)してういろうのような重い塊になってしまうのです。
3つ目は、米粉の品種・吸水率の違いです。市販の米粉には「製菓用」「パン用」「料理用」などがあり、製粉方法によって粒子サイズやデンプン損傷度が異なります。吸水率の高い料理用米粉を製菓用と同じ水分量で扱うと、生地の水分が足りずにボソボソとした食感に直結します。