SNS上で「かわいい」「美女」といったビジュアル面が先行して拡散されることに対し、一部では「ルッキズム的な消費ではないか」「過酷な競技の実態が軽視されているのではないか」といった懸念や誤解が生じることがあります。
しかし、実際のトレーニング現場を取材すると、選手たちは1日の大半をフェンシングの精密な突き、水泳のインターバル、障害物の反復練習、そして心拍数が限界に達した状態での精密射撃と長距離走に費やしています。その運動量は一般的な単一競技のアスリートを遥かに凌駕するレベルです。
選手たち自身も、ビジュアルをきっかけに近代五種というマイナー競技に興味を持ってもらうことを前向きに捉えつつ、競技実績で結果を出すという強いプロフェッショナリズムを持っています。「見た目が話題になること」と「競技者としての本気度」は決して二者択一ではなく、相乗効果としてファン層の裾野を広げているのが実態です。
【プロの結論】スポーツ社会学から読み解く「アスリート自己表現」の新時代
現代のスポーツ界では、競技力のみを追求してプライベートを完全に隠蔽する旧来のスタイルから、自身のライフスタイルやファッション、素直な感情を自己表現の一環として発信するスタイルへと完全に移行しました。
過酷なトレーニングで培われた機能的な肉体へのリスペクトと、日常のチャーミングな魅力が共存することは、現代のファンエンゲージメントにおいて極めて健全な動機付けとなっています。偏見を持たずに「強さと美しさの両立」を肯定的に捉えることが、マイナー競技の振興とアスリートの自立支援につながる最も建設的な視点といえます。