中世の面影を残すヴァンサンヌ城と、広大な緑地。フランス人が誇るそのアール・ド・ヴィーヴル(生活美学)を、そのまま東京の一角へと移植する発想自体が破天荒だった。しかし、現地を歩けばそれが単なる模倣でないことは一目瞭然だ。
館内に足を踏み入れると、まず肌を掠めるのは爽快な森林の空気だ。パリのヴァンサンヌの森から採取された微小な土壌菌と植物抽出エキスを用いた独自のエアロゾル調香が、静かに空間を包み込む。コンクリートのジャングルに突如現れた生の息吹。都市の喧騒は、分厚いガラスと植栽の重なりの中に消え去っていく。