2026年の現在、奈良地方裁判所を中心とする公判前整理手続きは、事件の背景にある社会的・心理的要因をどう審理に組み込むかを巡り、歴史的な局面を迎えている。検察側と弁護側が火花を散らす中で、最新の取材によって新たな知見がもたらされた。
これまで語られてこなかったのは、事件直前から事件後にかけての母親の精神的軌跡である。拘留が続く息子に対し、母親は今なお教団関係者を通じた接触を試みつつも、法廷での証言を巡って複雑な心理状況にあることが関係者の証言で判明した。安倍晋三銃撃事件という惨劇を引き起こした直接の引き金は、単なる逆恨みではなく、長年蓄積された制度の不全と家庭内の沈黙が生み出した歪みであったことが、提出予定の精神鑑定資料から明白になりつつある。