日本の宇宙輸送の未来を背負う主力ロケット「H3」。開発初期の厳しい試練を乗り越え、いまや定常的な運用フェーズへと完全に移行した。先代のH-IIAロケットが誇った97.5%という驚異的な打ち上げ成功率を継承しつつ、運用コストを半減させるという至難の業に挑み続けている。
民間自動車用部品の積極的な転用や、3Dプリンタによるエンジン部品の一体成形など、従来の宇宙開発の常識を覆す手法が功を奏した。打ち上げ費用の削減は、単なる予算節約の話ではない。世界中の民間企業や政府機関から衛星打ち上げの注文を勝ち取るための、絶対的なパスポートなのだ。