生命維持装置の取り外しや尊厳死という選択肢が頭をよぎるほどの絶望の中で、彼女の命を繋ぎ止めたのは夫で放送作家の源高志氏が見せた凄まじい覚悟だった。医師からどれほど厳しい言葉を告げられようとも、彼は妻の手に触れ、皮膚の温もりと呼吸を感じ取り続けた。
「声は絶対に届いている」。源氏は自身の仕事を大幅にセーブし、連日病室に詰めて語りかけを続けた。周囲が絶句するほどの過酷な状況下で、夫が貫いた執念は単なる看護を超え、夫婦の絆の深さを世界に知らしめるものだった。医学的見地からの「限界」を否定し続けた情熱が、絶望の闇に僅かな光を灯していく。