欧米を中心に急速に浸透したチーフ・インパクト・オフィサーとは、自社事業が社会や環境に与える影響(インパクト)を経営の根幹に組み込み、持続可能な成長へと導く最高責任者のことだ。従来の環境・社会・ガバナンスを重視するESG経営においては、コンプライアンス遵守やリスク回避といった守りのアプローチが主流だった。しかし、現在の市場が求めるのは、社会的課題の解決そのものを収益源へ変える積極的な攻めの姿勢だ。
とりわけ成長著しいメンタルヘルス・テクノロジー業界などでは、プロダクトの普及がそのまま顧客や従業員の福祉向上につながる。そのため、ミッションの達成度合いとビジネス拡大のスピードを両立させる専門職として、この役割の重要性が急上昇した。現代の経営戦略・コーポレートガバナンスにおいて、企業の存在価値を自他ともに証明する羅針盤となっている。