ヒップホップ界のパイオニアであるZeebra(本名:坂倉秀人)は、かつて日本中を賑わせた実業家・横井英樹の母方の孫にあたる。港区松濤という超一等地で育ち、幼少期から高級車や絢爛豪華な調度品に囲まれる極上の生活を享受していた。しかし、その華やかさの裏側には、常に祖父の強烈な存在感と、一族を包み込む独特の緊張感が漂っていたという。
横井英樹という絶対的な権力者の影で育った家族の歴史は、決して平坦なものではなかった。両親の離婚や一族内部の複雑な人間関係、さらには世間からの偏見に晒される中で、少年期のZeebraは自身のアイデンティティと葛藤し続けた。莫大な富を持つ家系ゆえの歪みと孤独。それが、彼を後に音楽へと向かわせる原動力となったことは疑いようがない。