メジナを極上の刺身として味わうためには、海から釣り上げた直後の現場処理が決定的な差を生みます。クーラーボックスにそのまま放り込む「野締め」は絶対に避けなければなりません。
① 釣獲直後の完全な延髄締めと血抜き
魚のエラ蓋を開け、エラ膜の奥にある大動脈を切断します。同時に眉間からピックを刺し込んで脳締めを行い、海水を張ったバッカンやバケツに頭から浸けて完全に血を抜きます。心臓のポンプ作用を利用して体内の血液を排出し切ることで、生臭さの発生を根本から遮断します。
② 神経締めによる死後硬直の遅延
眉間の刺し穴から脊髄にワイヤーを通す「神経締め」を施すことで、身の細胞破壊を防ぎ、アデノシン三リン酸(ATP)の急激な消費を抑制できます。これにより、刺身にした際のもっちりとした弾力と透明感が持続します。
③ 内臓の早期摘出と冷却管理
血抜きが完了したら、釣り場または帰宅後速やかにエラと内臓をすべて取り除きます。この際、「内臓の消化管を絶対に傷つけないこと」が鉄則です。万が一、胃や腸を破って内容物が腹腔内に触れると、強烈な磯臭さが身に移ってしまいます。処理後は腹腔内を冷海水や薄い塩水できれいに洗い流し、水分を徹底的に拭き取った上で氷が直接身に触れないよう密閉保冷します。