渡辺謙と南果歩が離婚に至った最大の引き金は、2017年3月に『週刊文春』が報じた渡辺謙の不倫スキャンダルです。当時、二人はお互いに大きな病を経験した直後でした。2016年2月、渡辺謙が初期の胃がん内視鏡手術を受け、その看病を献身的に行っていた南果歩自身も、同月に人間ドックの検査を受けたことでステージ1の乳がんが発覚。同年3月に摘出手術を受けるという、過酷な試練の最中にありました。
世間が「過酷な闘病を支え合う理想の夫婦」と温かい視線を注いでいた矢先、文春が暴いたのは、渡辺謙が米ニューヨークのセントラルパークで元北新地の高級クラブホステスだった女性A子さんと手を繋ぎ、親密に身を寄せる姿でした。しかも、二人の不倫関係は約3年前から継続していたと報じられたのです。南果歩が抗がん剤やホルモン療法に苦しみ、心身ともに極限状態にあった時期にも密会が重ねられていた事実は、世論に計り知れない激震を与えました。
発覚から約4か月後の2017年7月、渡辺謙は単独で謝罪会見を開き、記者陣を前に深々と頭を下げました。「記事にあった女性とはおおむね事実です」と不倫関係を全面的に認め、沈痛な表情で次のように述べています。
「妻には本当に苦しく、悔しい思いをさせてしまった。何より、病気と闘っている最中に精神的な負担を強いたことに対して、申し訳ない気持ちでいっぱいです」
しかし、一度打ち砕かれた信頼が戻ることはありませんでした。南果歩はのちにテレビ番組や手記で、当時の心境を「全身の水分が抜けるほどの衝撃」「裏切りと病の痛みが同時に押し寄せ、重度のうつ状態に陥った」と吐露しています。肉体的な病魔との闘いと、最も信頼していた伴侶からの精神的裏切りが重なったことが、修復不可能な決定打となりました。